☆後悔先に立たずの合意退職☆

仕事がないから辞めてくれといわれ不本意ながら退職の同意をしたが、今になって思い返すと使用者の退職を迫ったやり方が納得できない。
懲戒解雇を言い渡され、懲戒解雇を避けるため自分から退職届けを提出したが、そもそも懲戒解雇される理由はなく、会社のやり方に憤懣やる方ない。

懲戒解雇か、退職勧奨を受け入れての自主退職かの二者択一を迫られ、その場であいまいに対応していたら自主退職を選択したかのように取り扱われてしまった。

いずれも最近の相談事例ですが、退職を取り消し(または、退職の同意がなかったとして)不当解雇として争えないかという同じような相談が続きました。

一旦同意した退職の効力を裁判で争う場合、外形は同意したように見えても真意は違うとか、同意が強制されたものだとか、騙されて同意したものであるとか、同意の法的効果を否定する理由を労働者の側で積極的に主張、立証する必要があります。正直に言って、これがなかなか困難です。

いきなり会議室に呼ばれ、複数の上司に囲まれて退職を迫られるとパニックになってしまいがちですが、家族と相談してから明日返事をするなど言い繕ってどんなことがあっても即答は避けなければなりません。

 

曖昧に任意の退職を求めてくる使用者には、書面で明確な解雇の意思表示をすることを求め、解雇理由証明書を要求することも大切です。(直井)

 

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☆組合員はお客か仲間か☆

解雇案件であったが、団体交渉が使用者からの予期せぬ反撃(解雇予告除外認定の決定)に逢い不調に終わり、その直後その後の対応について話し合いをしているとき、相談者の発した一言に唖然とし返す言葉を失ったことがある。

「私の支払ったお金が無駄になった」という一言である。

 

ほっとユニオンは組合加入時に1年分の通常組合費(月1000円、年12,000円))を納めてもらっています。

彼女の不満は支払った料金に見合った成果が得られなかったということらしい。

相談者の期待に応えられなかったことは申し訳ないと思いつつ、何かが食い違っている、何だか変だと感じた。

 

ほっとユニオンが加入時に相談者にする約束は、使用者を交渉の場に引き出し、主張すべきことは明確に主張し決して泣き寝入りはさせないということです。具体的な成果まで約束する訳ではありません。

使用者の理不尽な取り扱いに対し、労働者個人では難しい異議申立てを相談者と一緒になって行うことがユニオンの社会的な役割だと考えています。

 

ほっとユニオンは、加入した組合員はお客ではなく、一緒に考え一緒に闘う仲間であると考えています。(直井)

 

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☆「労働者の味方」社労士宣言☆

「労働者の味方」との宣伝文句は不適切な情報発信にあたると社労士会は全国の社労士に対し指導している。

ブログ上で「社員をうつ病に罹患させる方法」という刺激的なタイトルで自己アピールした「会社の味方」の社労士が社会問題化したことに対する対応である。

 

社労士会は、指針において不適切な情報発信の事例(公正さを疑わしめる事例)として「100%会社側」とともに「労働者の味方」をあげている。

中立的な立場から労使公平に取り扱うということなのだろう。

でも何だか変だと感じるのは私だけではないだろう。

現代社会において会社と労働者の力関係には明らかな差がある。

厳として存在する格差を無視して形式的に平等を取り繕う安易な姿勢に嗤ってしまう。

 

私は労働組合ほっとユニオンの代表をしているが、社労士としても開業登録している。

社労士として実際に行っている業務はあっせん代理など紛争解決手続代理業務と相談業務だけであるが、いずれも労働者側支援の立場から行っている。

これからも胸を張って「労働者の味方」の社労士として情報発信をしていく所存である。(直井)

 

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☆ユニオンは無料か☆

ユニオンへの加入をコストパフォーマンスの観点から決める利用者は少なくないと思われます。

ユニオンは無料だ。すくなくとも弁護士への相談料、委任料より遙かに費用がかからない。だからユニオンを選択すると。

 

これに対して次のように答えたい。

確かに、ユニオンを利益をあげることを目的とする営利企業ではありません。

でも、ユニオンは無料でありません。

ユニオンは公的機関と異なり税金で維持されている訳ではありません。弁護士事務所の維持・活動に費用がかかるようにユニオンもその維持・活動には費用がかかります。

その費用を賄うために組合員に組合費という形で費用負担をお願いしています。

ほっとユニオンは、月1,000円の通常組合費と紛争解決時に組合の交渉によって得た解決金の2割を納めてもらう特別組合費によって運営しています。

 

これを適正な負担と考えるか否かは人により異なると思います。

使用者の無理難題に対して泣き寝入りしないで、使用者に主張すべきことは主張するという強い意思がなければ、ユニオン加入はおすすめしません。

ユニオンはトラブルを抱えた労働者と一緒になって考え、行動するために共助の組織です。(直井)

 

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