☆未払い賃金の回収方法☆

就職して初めての賃金支払い日を待てずに退職する人も少なくない。

ガールズバーを入店後1か月も待たずに辞めた人からの相談があった。

退職後に到来した賃金支払日に賃金が全く払われなかったとして相談にきた。

この種の業界に多く見られるように賃金額など労働条件を記載した契約書(ないし労働条件通知書)の類いの書面はないとのことであった。

次のようにアドバイスした。

 

(1)まず、口約束であっても約束した賃金額と勤務日数・時間をもとに概算でもいいからともかく未払い賃金額を計算すること。

募集広告やシフト表やメールでのやりとりが証拠になります。

 

(2)次に請求金額と支払期限を記載した請求書(コピーは手元に残しておくこと)を経営者に郵送すること。

ガールズバーでは店長だけが表にでていて、経営者が不明の場合がよくありますが、経営者の調査は後の裁判手続を考えると必要です。

経営者は(営業許可を出している)保健所で調べることができます。

請求書の郵送方法は、配達された日付がネット上で確認できる特定記録郵便が料金面からもお薦めです。

 

(3)期限までに支払がない場合、次に採る手段は大きく分けて三段階あります。

 

①先ず、無料の行政を利用する。

労働基準監督署に労基法違反(賃金未払い)で相談・申告する。

労基署の指導にも関わらず、使用者が任意に応じなかった場合は、最終的な決着手段である裁判所の利用を見据えたより強い対応が必要となります。

 

②弁護士に取り立て手続を委任するという方法が考えられます。

 

弁護士は敷居が高いと考えている人には、ほっとユニオンは、次の方策を薦めています。

 

③ユニオンに加入して、労働審判の申立てを視野にいれた上での団体交渉を申し入れる。

 

④団体交渉で解決しない場合は、すみやかに労働審判の申立てをする。

ほっとユニオンは、団体交渉はもとより、団体交渉が不調に終わった場合の労働審判の申立てのお手伝いもします。(直井)

 

 

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☆最後の給与は会社に取りに来い!☆

円満に退職したのではなく、退職時になんらかのトラブルがあった場合、退職後、会社に対して最後の給料の支払いを求めると、「会社に取りに来い」といわれることがある。

会社の嫌がらせである。

会社に取りに行くのが怖いので、金融機関の口座への振り込みを求めたが断られたとの相談があった。

 

従前の給料が金融口座への振り込みという方法で支払われていた場合は、従来どおりの支払い方法による支払いを求めることは法的に十分根拠のある要求だ。

振り込み拒否は賃金不払いと評価され、労働基準法(24条)違反として労働基準監督署へ違法行為の是正を求める申告(労基法104条1項)をすることができる。

 

問題は従前から会社での手渡しの方法により給料が支払われていた場合だ。

そのような場合、労働基準監督署に相談にいっても、会社が給与の支払い自体をしないと言っているわけではないとして、取り合ってくれないことが多い。

 

しかし、退職の原因が小規模な事業所内での経営者のパワハラ・セクハラであり、職場に行くことにより更なる被害を受ける危惧があるときは別に考える必要がある。

そう解さないと、労働者の泣き寝入りを狙う会社の思い通りになってしまう。

 

そもそも、会社の給料支払い債務が会社の所在地で労働者が取り立てる「取立債務」と解されている理由は賃金債権の発生原因の性質からだ。

労働契約における「賃金債権」は、労働者が使用者の下で労働力を提供し、その労働力を提供した対価として「賃金」の支払いを求める権利である。

賃金債権の以上の内容から、使用者の賃金支払い債務は、一般的には、当事者間の合理的な意思解釈として、労働者が労働力を提供した「使用者の営業所等」で賃金の支払いをする「取立債務」と解されているのだ。

会社に取り立てに来いとの会社の主張の支える理屈となる。

 

しかし、賃金を受け取りに会社に行くことにより更なるセクハラ・パワハラの被害を受ける危険があるなど特別の事情がある場合は別に解されるべきだ。

そのような事情が認められる場合は、労働者が、会社での受け取りではなく、口座振り込みによる支払いを求めるのは当然の権利といえる。(直井)

 

 

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☆退職者の最後の賃金を支払わないガールズバー☆

賃金は後払いが多い。

たとえば、「毎月月末締め・翌月15日払い」など。

民法(624条)に賃金後払いの原則が規定されていることから、そのこと自体は違法ではない。

 

バックレされた使用者が怒って、退職時に支払うべ賃金を支払わないことがある。

退職後の支払い期日になっても振り込まれていないことで判明する。

 

賃金の未払い分を足止め策として利用していると思われる業界もある。

ガールズバーなどで給与明細もなく日給月給制で口座振込ではなく現金で給与を手渡しているところで発生しやすい。

 

退職後、営業時間である夜に未払い分の賃金を受け取りに店に出向くのは勇気がいる。

受け取りにいっても、その場にいる店長は雇われ店長で埒が開かない。

契約書を取り交わさない口頭での契約が多いため、従業員には未払い賃金を請求すべき使用者が誰かすら不明であることが多い。

 

そのような場合、管轄の保健所で飲食店の営業許可を受けている施設一覧を調べれば、営業者が誰であるかを確認することができる。

ほっとユニオンはそのようなお手伝いもしています。(直井)

 

 

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