新年度から1か月――「五月病」とハラスメントの見えにくい関係
新年度が始まってから、早くも1か月が経過しました。
新しい職場、新しい上司・同僚、新しい業務。
4月は緊張感の中で走り続けてきた方も多いのではないでしょうか。
そして、この時期に増えてくるのが、いわゆる「五月病」です。
「五月病」は単なる気の緩みではありません
「なんとなく気分が落ち込む」
「会社に行くのがつらい」
「朝、体が動かない」
こうした状態は、単なる疲れや気の問題と片付けられがちです。
しかし実際には、新しい環境によるストレスの蓄積が大きく影響しています。
そして見落としてはならないのが、ハラスメントとの関係です。
気づきにくい“初期のハラスメント”
新年度直後は、人間関係がまだ構築途中のため、次のような言動が「指導」や「職場文化」として受け止められてしまうことがあります。
· 必要以上に強い口調での指導
· 人前での過度な叱責
· 業務量の著しい偏り
· 無視や孤立させるような対応
これらは、場合によってはパワーハラスメントに該当する可能性があります。
しかし新入社員や異動者は、「自分が未熟だから」「これが普通なのかもしれない」と感じ、違和感を抱えたまま我慢してしまうことが少なくありません。
その結果、知らず知らずのうちにストレスが蓄積し、「五月病」として表面化することがあります。
「五月病の裏にハラスメントがある」ケースも
私たちが受ける相談の中でも、
「五月病だと思っていたが、よく話を聞くと職場の対応に問題があった」
というケースは決して珍しくありません。
本人は「自分の問題」と捉えていても、実際には職場環境が原因となっていることも多いのです。
我慢する前に「立ち止まる」こと
あなたが今、
· 出社することに強い抵抗を感じる
· 特定の上司や同僚を思い出すと体調が悪くなる
· 自分だけが不当に扱われていると感じる
といった状況がある場合は、一度立ち止まって考えてみてください。
それは単なる五月病ではなく、ハラスメントのサインかもしれません。
ひとりで抱え込まないために
ハラスメントは、我慢すれば解決するものではありません。
むしろ、放置することで状況が悪化するケースがほとんどです。
私たちNPO法人労働相談カフェ東京は、働く方が安心して相談できる場を提供しています。
カフェのような落ち着いた空間で、社会保険労務士資格を持つ相談員が丁寧にお話を伺います。
新年度は、誰にとっても大きな変化の時期です。
だからこそ、「少しおかしい」と感じる感覚を大切にしてください。
五月病という言葉に隠れてしまいがちな不調の背景には、解決すべき問題が潜んでいることもあります。
せっかくのご縁で勤めている職場です。私たちが無理なく長く職業人生を形成する一助となれましたら幸いです。
(柏木)
私たちNPO法人労働相談カフェ東京は2019年の設立以来電話やメールでの相談に加え、池袋、渋谷等の都内主要ターミナル駅近辺のカフェでの対面労働相談を
実施しています。
相談は原則社会保険労務士の資格を持つ相談員がお受けします。対面相談ですと1回1,000円、おおむね30分程度の時間でご相談を承ります。
相談員ごとに個性がありますし、ご相談の内容もさまざまなので一概には言えないのですが筆者(相談員柏木)はまずはご相談に先立ちざっくばらんに話し合える雰囲気を少しでも作れるように心がけております。あれを聞いてもいいのか、これも気になる、と不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。まずはとりとめのないはなしになってしまってもかまわないので気軽に、気楽に相談する場所がある、くらいの気持ちでご相談の申し込みをしてみてはどうでしょうか。
話すだけでも気持ちが楽になることもあります。楽な気持ちでことに当たれば解決まであと少しかもしれません。カフェで気軽に労働相談、NPO法人労働相談カフェ東京ではみなさまのご相談をお待ちしています。
(柏木)
みなさんは「労働法」ということばを聞いてなにを思い浮かべますか。
実は日本には「労働法」という名前の法律はなく、労働契約法、労働基準法、労働組合法、労働関係調整法・・といった労働に関する法律の総称を労働法と呼んでいます。労災保険法や雇用保険法も働くことと密接に関係しているので労働法の一部だと言っていいかもしれません。
さてそんな法律ですが、労働法にかぎらずもめごと(法律のことばで言えば紛争)が起きてしまったときの解決のよすがになるものが法律だ、と考えている方もいるのではないでしょうか。一般的な紛争でしたら民法、あるいは民事訴訟法の定めに従って解決することもあるでしょう。
働いていて起きるもめごと(紛争)はどうでしょうか。
たしかに私たち労働相談カフェ東京でお受けした相談でも最終的に法律の力を借りて解決した事案は数多くあります。他方、相談をお受けしていてまずは法律ではなく話し合いで状況を改善したほうがいいのでは、と感じる事案もまた多くあります。
使用者と従業員、立場は異なりますが同じ職場で働く仲間であることには変わりありません。いきなり法律を持ち出す前に少し胸襟を開いて話す機会を持てば案外問題の解決まであと少しに迫っているのかもしれません。そんな働く悩みのご相談を私たち労働相談カフェ東京は東京都心部を主としたカフェでの対面、あるいは電話、メールにてお受けしています。私たちへのご相談がみなさんの職業生活がよりよいものとなるきっかけになれますようお待ちしています。
(柏木)
先日、近所のスーパーに行ったら、日用品フロアに防災グッズコーナーが増設されていました。簡易ベッドや充電用ソーラーパネルまであり、忘れていた防災意識が復活しました。
さて、自然災害に関しては、なんらかの備えをしている方が大半ではないでしょうか?
一方、労働トラブルに遭ってしまった時のために日頃から備えています!という人はあまりいないかも知れません。そもそも備えと言われても何をかすればいいのか分からない…と感じるかも知れません。
私の考える備えは、
1、 大切な書面(メールの場合もあり)を保存しておく
2、相談できる場所を探しておく
です。1、の大切な書面とは、例えば
・労働条件通知書、雇用契約書
・就業規則や賃金規定など
・給与明細やタイムカードのコピー
などが挙げられます。例えば残業代が支払われていない…などのトラブルにあったときは、残業をした記録(タイムカード)、や支給額の記録(給与明細)が重要になってきます。
自分だけ退職金が支給されていないのでは…という時は、就業規則や退職金規程を確認し、どのような支給要件になっているかなどを調べる必要がでてきます。
書類の名称がよく分からないという場合は、会社から労働条件や給与に関する書類をもらったら保存しておく、というやり方でもいいと思います。
2、の相談できる場所については、
実は、内容によって適切な相談先(行政機関等)が異なります。労基署なのか、労働局なのか、ハローワークなのか。弁護士に相談する事案なのか。
トラブルが生じたときに調べて判断するには労力がかかるでしょう。そんなとき「どこに相談すればいいか」も労働相談カフェでは相談できます。
いざという時の相談先のひとつとして備えおいていただければ幸いです。(山本)
