☆闘わないという選択肢☆

スポーツジムのインストラクターから退職手続きについて相談を受けていた。

私は残っている年次有給休暇を消化したうえで退職するという手順を提案した。

相談者がその旨を社長に申し出たら、怒った社長は即時解雇を言い渡した。

 

明らかな違法・不当な解雇である。

ユニオンに加入した上での団体交渉申入れ、労基署への相談、労働審判の申立てなどいくつかの選択肢を提案した。

持ち帰って家族とも相談して決めるということになった。

 

1週間後、相談者から検討結果の報告メールがあった。

もともと辞めるつもりであったこと、将来について具体的な計画があること、闘うことで後ろ向きにエネルギーを使いたくないことなどを総合勘案した上で、あえて闘わないということに決めたとの報告であった。

 

メールは次の言葉で終わっていた。

「今回の件でたくさんのことを学べ良い経験ができたと思っております。今後の生活に活かし新たなステージに向かって行きたいと思っています。」

 

このように、泣き寝入りするのではなく、あえて闘わないのも立派な選択肢です。

ほっとユニオンはあえて闘わない労働者も応援します。(直井)

 

 

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☆泣き寝入りしないで本当に良かった!☆

使用者による解決金の振込があったことの報告とともに、泣き寝入りしないで本当に良かった!とのお礼メールがAさんからほっとユニオンに届いた。

 

小さなクリニックの採用手続きを巡るトラブルだった。

Aさんはクリニックの面接・お試し勤務を経て、医療事務・受付担当として採用決定の連絡を電話で受けた。

採用決定から就労開始日まで3週間ほど間があった。

就労開始日の1週間ほど前になって、クリニックから別の人に決めたから来なくていいと突然電話で言われた。

 

解決までの道筋は決して平坦ではなかった。

Aさんの相談を受けたほっとユニオンは、まず、団体交渉を申し入れた。

しかし、クリニック側の窓口となった社労士の対応が堅く交渉は頓挫した。

次に労働審判の申立てを行って、ようやく解決に至ったもので、解決までに6か月を超える期間を要した。

 

労働審判においては弁護士費用の負担を節約するためほっとユニオンは本人申立を勧めている。

申立て準備として、Aさんは事実経過についての陳述書を作成し、それをもとに、ほっとユニオンが労働審判の申立書の作成作業を担当した。

 

審判の当日は、ほっとユニオンの執行委員が付き添うが、審判室には同席できないため、付き添いは待合室で待つことになる。

Aさんは一人で審判室で裁判官である労働審判官に受け答えをしたのである。

 

解決に至るまでの道筋は、Aさんにとっても大きな負担であったはずだ。

それでも「泣き寝入りしないで本当に良かった!」といってもらえれば、ほっとユニオンとしては応援のし甲斐があったと思っている。(直井)

 

 

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