☆労働トラブルの闘い方☆

第11章 内定を取消された!


内定を取り消された

 就職試験を受けて、やっとの思いで採用内定をもらったのに、入社直前になって会社から内定取消しの連絡が来た。まさに寝耳に水!納得できない!!既に他社の内定も辞退してしまっているし、人によっては、転職できるものと信じて、現在勤めている会社に既に退職届を出してしまっており、後戻りはできない。これから再び、一から就職活動をやり直さなければならないのだろうか・・・。

 新規学卒のみならず、中途採用においても、このような相談はよくあります。採用内定の取消は、労働契約関係の解消、すなわち解雇としてとらえられますから、法的救済の方法としては、損害賠償を請求できることのみならず、従業員としての地位の確認を求めることができます。

 また、会社に入社しても仕方がないと考えるときには、損害賠償の支払いと引換えに、採用内定の取消しに応じて退職することも考えられます。

 ただし、会社によっては「採用内定取消し」ではなく、「入社を辞退して欲しい」との連絡が来る場合もあります。この場合は、会社からの申込みに応じれば、労働契約は消滅してしまいます。結果として、何の法的救済も望めない状況になってしまうこともあります。安易な返事をしないようにすることはもちろんですが、会社の対応に納得が行かない場合には、事前に専門家に相談し、どのように対応したら良いかアドバイスを求めましょう!

 


<こんなふうに対応する>

①    会社から交付された内定通知書があれば、それを取っておく!

 (最近はメールでの通知も多いので、消さずに残しておくこと!)

 (内定に至るまでのメールでのやり取りについても同様に残しておくこと!)

②  会社に対し、内定取消しの事実、及びその理由を書面で交付してもらう!

 (メールでの通知の場合は、消さずに残しておくこと!)

③ 内定取消しの理由が納得できない場合や、内定取消しにより被った精神的・経済的損害の賠償請求をしたい場合は、その旨、会社に請求する。

④ 会社に対し、自分で交渉しづらい場合や、内定取消しの有効性の判断について疑問がある場合は、「労働相談カフェ東京」(03-5834-2300)に電話相談してアドバイスを受けましょう。(電話相談は無料、受付時間は平日9時~18時です!)

 

 


<内定取消し無効確認及び損害賠償請求書の通知方法を知っておきましょう!>

  

〇〇株式会社

代表取締役 〇〇〇〇様

 

内定取消し確認及び損害賠償請求書

 

 私は貴社より、平成〇〇年〇〇月〇〇日に採用内定を頂きましたが、平成〇〇年〇〇月〇〇日付の書面(以下「本件書面」といいます。)により、当該採用内定を取消す旨の通知を受けました。本件書面によりますと、採用内定取消しの理由は「・・・・・・・・・・」ということですが、当該理由には、客観的に合理的な理由がなく、また社会通念上相当として是認されないと思われるため、到底承服できません。

 なぜなら、・・・・だからです。(・・・・には思い当たる理由を記入しましょう。(例)貴社は経営不振と主張しておられますが、それにも関わらず今月もハローワークにおいて求人募集を行っており、さらに来年には新店をオープンする予定もあるからです。)

 つきましは、私は、貴社に対して、本件内定取消しを撤回をして頂くよう請求いたします。

 万一、貴社が内定取消しの撤回に応じられない場合には、労働契約の始期である平成〇〇年〇〇月〇〇日からの就労が貴社の責めに帰すべき事由により出来なくなるため、民法第536条2項に基づき、未払賃金全額の支払いを求めることはもちろん、貴社の一方的な内定取消しに対する慰謝料等の損害賠償請求を求めるべく、労働組合における団体交渉、その他民事訴訟等の法的手段に訴えざるを得ませんのでご承知おき下さい。

 なお、回答につきましては、本書面到達後、2週間以内に書面にて頂きますようお願い申し上げます。

 以上、ご通知申し上げます。

 

平成〇〇年〇月〇日       

東京都〇〇区〇〇町〇丁目〇番〇号

 氏名 〇〇 〇〇  印 

 

 

※この請求書のコピーを取っておくこと

※郵送する場合は、配達証明郵便など記録の残る方法で送付すること

※あくまでも記載例の見本です

 

 

               (労働紛争解決アドバイザー 横川)