「雇止め」とは、期限を決めて雇われている労働者に対して、会社側が、契約の期間が終了した際に契約を更新せずに打ち切ることをいいます。
もともと期間を決めてある労働契約なので、その期限が終了すれば労働契約も終了するのは当然のことなのですが、それでは賃金で暮らしている労働者にあまりに不利な結果になりかねません。
そこで、契約が何度も更新されているなどして、契約の更新が期待できるような場合には、理由なしで雇止めにすることはできず、解雇の場合と同じように、合理的な理由がなく社会通念上相当と認められない「雇止め」は無効とされる(それまでの労働契約が更新されたと扱う)ルールが設けられました(労働契約法第19条)。このルール、けっこう大手の会社でもわかっていないことがあり、労働トラブルが多く発生しています。
<こんなふうに対応する>
① 今までの、労働契約書(労働条件通知書)をきちんと取っておく。
② 自分は契約更新したい意思があることを、会社に伝えておく。
③ それでも「雇止め」を通告された場合には、いつ、誰に、どのような方法で、どのような理由で通告されたのかを、きちんとメモしておく。
④ さらに、会社に対し「雇止め理由の証明書」の交付を請求する。
(1年を超えて継続勤務しているか、1年以内でも3回以上更新している場合、労働者が請求したときは、会社は「雇止め理由の証明書」を遅滞なく交付しなければなりません。)
⑤ 雇止め理由証明書に記載された「雇止めされた理由」に納得できない場合は、「納得できません。」と意思表示し契約更新を求めましょう。
⑥ そして、会社が話し合いに応じない場合や、話し合っても解決できない場合には、「労働相談カフェ東京」(03-5834-2300)に電話しアドバイスを受けましょう。(電話相談は無料、受付時間は平日9時~18時です!)
<雇止め理由証明書とはどういうものか知っておきましょう!>
◆行政指導上、1年を超えて継続勤務しているか、1年以内でも3回以上更新している有期労働契約を、使用者が更新しない場合には、使用者は、労働者に対して30日前までにその予告をする必要があり、労働者がその理由の証明書を請求したときは、遅滞なく証明書を交付しなければなりません。
◆雇止めの理由は、「契約期間の満了とは別の理由を明示することが必要」とされています(有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準)。
◆実際の「雇止め理由証明書」は、下記のような書面になります。
有期労働契約を更新しない理由に関する証明書
〇〇 〇〇 様
当社は、平成〇年〇月〇日付で有期労働契約を更新しない旨あなたに通知しましたが、更新しない理由は、以下の通りであることを証明します。
平成〇年〇月〇日
株式会社 〇〇〇〇
代表取締役社長 〇〇 〇〇
以上
※あくまでも参考例です。
(労働紛争解決アドバイザー 横川)