「うちの会社、いくら働いても残業代でないんだ。」とか、「残業をたくさんしているのに、ほんの少ししか残業代がでていない。」という声をよく聞きます。でも、会社に請求しようにも請求しずらいし、もし請求しようものならこの会社での立場がなくなってしまうという理由で、実際のところ未払残業代を請求することをためらっている方が少なくありません。
賃金請求権の時効は2年ですので、辞める時になって過去2年間分の未払残業代を請求することは可能です。しかし、辞める時になって未払残業代を請求しても、残業したという証拠がないために、結局のところ労働基準監督署に申告しても支払ってもらえなかったというケースは実はよくある話なのです。
<こんなふうに対応する>
① 毎日の労働時間の記録を取っておく(タイムカードのコピー、業務日報の写し、パソコンのログ記録など)。
② 自分の労働条件通知書や就業規則のコピーを取っておく(自分の労働条件の証拠となるため)。
③ 自分の給与明細をなくさないで、ちゃんと取っておく。
④ 本来支払われるべき賃金はいくらなのか計算する。
⑤ (④で計算した金額)-(既払賃金)=未払残業代となるので、算出して書面にて請求する。
⑥ 1人で会社に請求するのが不安だったり、請求しても支払ってもらえなかった場合には、「労働相談カフェ東京」(03-5834-2300)に電話しアドバイスを受けましょう。(電話相談は無料、受付時間は平日9時~18時です!)
<未払残業代の文書請求の方法を知っておきましょう>
〇〇株式会社
代表取締役 〇〇〇〇様
未払残業代支払請求書
在職中はお世話になりました。
さて、私は私が勤務した、平成〇年〇月〇日~平成〇年〇月〇日までの残業代(および深夜割増手当・休日手当)〇〇〇〇円のお支払いを受けておりません。
つきましては、この金額の明細は別紙の通りですので、本書面到達後7日以内に私の口座(〇〇銀行〇〇支店・普通口座〇〇〇〇〇〇)に振り込んんで頂きますようお願い申し上げます。
万一、上記の期日までにお支払いが無い場合には、労働基準監督署への申告、民事訴訟、その他法的手続をとらざるを得ませんのでご了承ください。
平成〇年〇月〇日
東京都〇〇区〇〇町〇丁目〇番〇号
請求者 〇〇 〇〇 印
※この請求書のコピーを取っておくこと
※配達証明郵便など、記録の残る方法で送付すること
※あくまでも記載例の見本です
(労働紛争解決アドバイザー 横川)