☆後悔先に立たずの合意退職☆

仕事がないから辞めてくれといわれ不本意ながら退職の同意をしたが、今になって思い返すと使用者の退職を迫ったやり方が納得できない。
懲戒解雇を言い渡され、懲戒解雇を避けるため自分から退職届けを提出したが、そもそも懲戒解雇される理由はなく、会社のやり方に憤懣やる方ない。

懲戒解雇か、退職勧奨を受け入れての自主退職かの二者択一を迫られ、その場であいまいに対応していたら自主退職を選択したかのように取り扱われてしまった。

いずれも最近の相談事例ですが、退職を取り消し(または、退職の同意がなかったとして)不当解雇として争えないかという同じような相談が続きました。

一旦同意した退職の効力を裁判で争う場合、外形は同意したように見えても真意は違うとか、同意が強制されたものだとか、騙されて同意したものであるとか、同意の法的効果を否定する理由を労働者の側で積極的に主張、立証する必要があります。正直に言って、これがなかなか困難です。

いきなり会議室に呼ばれ、複数の上司に囲まれて退職を迫られるとパニックになってしまいがちですが、家族と相談してから明日返事をするなど言い繕ってどんなことがあっても即答は避けなければなりません。

 

曖昧に任意の退職を求めてくる使用者には、書面で明確な解雇の意思表示をすることを求め、解雇理由証明書を要求することも大切です。(直井)