カテゴリ:2020年10月



2020/10/24
この4月に採用され、5か月間勤務の後に職場の人間関係のストレスから退職したところ、保育園から無償で提供されていた借り上げ宿舎の家賃分として40万円(8万円×5月分)の支払いを求められた。 園の説明によると、保育士の宿舎借上げに対する区による助成を前提として借り上げたマンションを保育士に無償で提供していたが、年度途中の退職者は区の助成の対象とはならないため、園が負担した家賃額の返還を求めるとのことである。
2020/10/18
今週の火曜日(10月13日)及び木曜日(10月15日)に、相次いで労働契約法20条に基づく非正社員の格差是正にかかる最高裁の5つの判決がでだ。 労働者側にとっては、退職金・ボーナスは敗訴、他方、扶養手当・夏期冬期休暇格差は勝訴と明暗を分けた。 これらの訴訟は、契約社員やアルバイトなど有期契約で働く非正社員と正社員との間で、労働条件の「不合理な格差」を禁じた労働契約法20条の規定(現在はパートタイム・有期雇用契約法に移行されている。)に基づき争われたものである。 最高裁が示したのは当該法規定が禁じた「不合理な格差」の解釈・適用である。職場において格差の是正を実現するためには、非正社員自身が不合理な格差に異議申し立てをし続ける必要がある。 しかし、ひとり一人の労働者は使用者に対して圧倒的弱者である。 使用者に対峙する集団としての労働組合の出番だ。 正社員中心の既存の労働組合が十分に機能していないというのならば、非正社員が自らの組織化を考えるときではないか。
2020/10/04
転職先の採用面接において、離職理由を尋ねられたときの対応の相談です。 相談者は退職会社がハローワークに提出する書類を気にしていた。 そもそも、採用面接で離職票の提示を求められることはありません。 また、かりに転職先の会社が退職会社に離職の事情を問い合わせても、従業員の個人情報であることから、退職会社が照会に応ずることは通常は考えられません。 もっとも、採用面接で積極的な嘘をつくことはお薦めしません。 横領など理由とする懲戒解雇などの不名誉な退職事由でなければ、会社都合退職(普通解雇)であることを必要以上に気にすることはありません。