事務を処理する速度が遅いなど能力不足を理由に解雇を言い渡された事務職員から相談があった。
相談事は不当解雇についてではなく、能力不足の理由による会社都合退職は転職活動に不利になるかとの心配であった。
転職先の採用面接において、離職理由を尋ねられたときの対応の相談です。
相談者は退職会社がハローワークに提出する書類を気にしていた。
しかし、会社が被保険者資格喪失届とともにハローワークに提出する離職証明書(離職票)には単に離職理由欄の「解雇(重責解雇を除く)」にチェックが入るのみで、具体的な離職理由は記載されません。
そもそも、採用面接で離職票の提示を求められることはありません。
また、かりに転職先の会社が退職会社に離職の事情を問い合わせても、従業員の個人情報であることから、退職会社が照会に応ずることは通常は考えられません。
採用面接で前職の退職理由を聞かれたら、社長(上司)と折り合いが悪くなり転職を進められたこともあり退職することになったなど、当たり障りのない理由を述べれば足ります。
それ以上、事細かに追求する面接官はいません。
もっとも、採用面接で積極的な嘘をつくことはお薦めしません。
横領など理由とする懲戒解雇などの不名誉な退職事由でなければ、会社都合退職(普通解雇)であることを必要以上に気にすることはありません。(直井)
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