世の中変なことがある。
次のような相談を受けた。
勤めていた都内の美容院を3年以上前に辞めたにも関わらず、オーナーが相談者が勤め続けているように装い、税務署等に報告していたというのだ。
本人はそのこととに気づかず2年以上経過した後、たまたま友人との雑談のなかで無職の自分の国民健康保険料が定職についている友人より高いのに気づいた。
区役所に問い合わせたところ、区役所に提出されたオーナーからの給与支払報告書では、相談者は雇用され続けていたことになっているとの驚きの回答があった。
オーナーは人件費などの経費を水増しして所得税の申告していたと思われる。
相談者は払い過ぎた国保料(及び住民税)の返還を区役所に求めたが、この間働いていなかったことの証明がなければ、対応できないとの回答であった。
税務署にも相談したが、埒があかなかった。
相談者はオーナーのセクハラ・パワハラのため逃げるように美容院を辞めた経緯からオーナーとの接触をおそれていた。
辞めたこと及びこの間働いていなかったことの証明は意外と難しく困り果てた。
相談を受けた「ほっとユニオン」がオーナーに事案解明と問題解決のための団体交渉を申し入れたところ、意外なほどあっさりとオーナーは事実関係を認め、解決に向けて動き出した。
マイナンバー制度の施行により給与支払報告書や源泉徴収票などに従業員のマイナンバーを記載する必要が生じたことから、相談者のマイナンバーを知りようもないオーナーは対応に困っていたようだ。
一般には不人気なマイナンバーの意外な効用といえる。 (直井)
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