☆労働条件通知書を請求しよう!☆

最近、次のような電話による労働相談を受けた。

1か月ほど前から雇われている会社からの指示で別の会社の事業所で働かされている。

ハローワークの求人票には派遣との記載はなかった。

また、会社は派遣業の許可などは得ていないようだ。

違法な派遣ではないか?

相談者の不満は残業代が支払われていないことなど多岐にわたる。

 

話を聞いているうちに感じたことだが、問題の根底には労働契約の内容がはっきりしないことがあるようだ。

労働契約は使用者と労働者の合意によって成立するものだが、必ずしも書面による必要はなく口頭でも成立する。

将来のトラブルを未然に防ぐためには具体的な労働条件など合意内容を書面で確認することが望ましい。

 

しかしながら、零細な企業では、契約書の交付がなされないことが少なくない。そのような企業では労働条件を定めた就業規則も存しないことが多い。

こんなときにおすすめなのが、労働基準法15条、同施行規則5条が使用者に義務づけている「労働条件通知書」の交付を使用者に求めることだ。

使用者がこれに応じない場合、労働基準監督署に労基法違反で申告すれば、使用者は30万円以下の罰金を課せられることになる。労働条件通知の様式は厚生労働省のホームページなどから簡単に入手することができる。

 

なお、労働基準法が定める労働条件通知書の交付時期は、「労働契約締結の際」であるけれど、会社の義務違反が続いている以上、入社後であっても請求することは問題がない。

 

(直井)