2021/09/07
弁護士は2つの点で誤っている。 ①離職証明書と離職票を混同していることと、②離職理由について労使間で争いのある場合の取り扱い したがって、離職理由についての主張の違いは、使用者が離職票交付手続き(離職証明書のパローワークへの提出)を拒否する正当な理由とはならない。
2021/08/30
使用者が手続きを行おうとしない場合は、まずは、事業所の所在地のパローワークに相談して、ハローワークから指導してもらうことをお薦めします。 使用者の対応は雇用保険法上の明確な義務違反なのですから、ハロ-ワークには義務違反状態を解消するために使用者を指導する責任があります。 それでも、使用者が応じない場合は次の方法があります。 ハローワーク(公共職業安定所長)に対する①資格喪失の確認の請求と②離職票の交付請求です。
2021/08/20
週3日ないし4日のシフト制で働くアルバイトが有給休暇の申請をしたところ、使用者の代理人弁護士からシフト制のアルバイトには有給休暇は認められない、との通知があったとの相談があった。 会社側弁護士の主張は、労働者保護法である労基法の趣旨を全く無視したご都合主義の解釈であるといわざるを得ない。
2021/05/29
どんなに退職届(願い)への署名を迫られても、「持ち帰って家族と相談をしたい」とその場での署名を避けたうえで、早急に専門家へ相談をというのが退職勧奨にかかる労働相談が勧めるセオリーである。 そこには一旦署名をしたら終わりだという前提があるようだ。 でもその前提は正しいのだろうか。 対等な市民間の契約関係を規定する民法の規定によれば、自由な意思によらない意思表示は取消すことができる(民法95条、民法96条)。 労働契約関係においても同様である。 否、使用者との関係で経済的弱者である労働者保護の立場から一般的な契約関係以上に労働者の自由意志は尊重されなければならない。
2021/05/25
シフト制で働く労働者から相談があった。 コロナ禍で会社の仕事が減少し、それに伴って一方的にシフト(毎月の勤務日数)も減らされていたところ、ついに退職を勧奨され辞めることになった。...
2021/05/13
容貌はその人を特定できる要素であることから重要な個人の情報です。 自己の情報をコントロールする権利(プラバシー権)として、SNSへのアップは拒否することはできます。 使用者といえども、従業員の容姿等を勝手にSNSにアップすることは、プライバシー権としての肖像権(みだりに自己の容姿等を撮影され、これを公表されない権利)の侵害にあたります。 無断でSNSへアップされたものの削除を求めることもできます。 当然ながら、SNSへのアップを拒否したしり、アップされた画像の削除を要求したことで、解雇など不利益取り扱いをすることは許されません。 SNSへのアップ拒否が正当な解雇理由となりえないことは論をまたない。
2021/04/14
会社の指揮命令下で実施される軽減勤務だとすると、賃金支払い義務が発生する。 就業規則などに規定がない場合、軽減勤務中、勤務時間の短縮または業務の軽減等を理由として給与を減額するときは、給与の算出方法を明確に取り決め、個別に本人に説明しその納得と同意を得ておく必要がある。 また、軽減勤務の期間についても同様に目安を定めておくことが求められる。
2021/04/02
本件は、従業員兼務取締役の解雇問題だ。 「従業員兼務取締役」とは、肩書上の地位が「取締役」でありながら、同時に一般の従業員としても評価できる人のことをいう。 「取締役」と会社との関係は「委任契約」であり、「労働者」と会社との間の「労働契約」とは異なるが、従業員兼務取締役は、実質的には委任契約と雇用契約が併存した状態といえる。 実質は個人事業のような会社では、取締役とは名ばかりで、主として従業員の業務を行っている場合がある。実態上、会社代表者の指揮命令を受けて労務に従事し、その労務に対して従業員としての報酬Mを受けていると認められれば、労働契約法上の「労働者」に(も)当たることになる(菅野和夫「労働法」(第12版)182頁)。
2021/03/08
業務に起因する傷病の場合は労働基準法などに解雇制限などの労働者保護の規定があるが、業務外の傷病を理由とする休職については、休職期間、復職等についての法の定めはない。 具体的な取り扱いは労働契約や就業規則の定めによることになる。 療養中の解雇は、療養のため労務を提供できないことが解雇の合理的な理由となるかが争われることになる。 裁判においては、回復するまでもう少しの期間を待てないのかが争点となる。 なお、業務に起因する傷病の場合は療養期間中の解雇は禁じられている(労基法19条)。 数ヶ月程度の比較的短期間の療養中の解雇は、長期雇用慣行を重視する裁判所では合理的な理由のある解雇とは認められない可能性が高い。 一般に病気休職の要件として定められている事前の欠勤期間は、裁判所では解雇は認められないと考えられている程度の短期間であることが多い。 判断が難しいのは、予想される療養期間が1年に及ぶなど相当長期間に及ぶ場合である。
2021/02/16
ほぼ決まったと考えていた採用が突然撤回されたという相談があった。 この会社の対応に納得できない相談者は、金銭補償の要求を伝えたが、会社は労働契約がいまだ成立していないことを理由に金銭補償を拒否した。 というのが相談者の話す経緯である。 しかし、民法523条は、承諾の期間を定めてした契約の申込みは、撤回することができないと規定する。 すなわち、会社が承諾期限前に契約の申込みを撤回することは許されない。 したがって、相談者が期限までに承諾の回答をすれば労働契約は有効に成立することになる。

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