カテゴリ:業務委託契約・委任契約



2021/04/02
本件は、従業員兼務取締役の解雇問題だ。 「従業員兼務取締役」とは、肩書上の地位が「取締役」でありながら、同時に一般の従業員としても評価できる人のことをいう。 「取締役」と会社との関係は「委任契約」であり、「労働者」と会社との間の「労働契約」とは異なるが、従業員兼務取締役は、実質的には委任契約と雇用契約が併存した状態といえる。 実質は個人事業のような会社では、取締役とは名ばかりで、主として従業員の業務を行っている場合がある。実態上、会社代表者の指揮命令を受けて労務に従事し、その労務に対して従業員としての報酬Mを受けていると認められれば、労働契約法上の「労働者」に(も)当たることになる(菅野和夫「労働法」(第12版)182頁)。
2020/03/14
マッサージサロンとの間で締結した業務委託契約に基づき働くマッサージ師から相談があった。 お客からサロン運営者である本部にクレームがあり、その調査のため3週間サロンで働くことを禁じられた。 労働基準法の適用があれば、最低限6割の休業手当(同法26条)が補償されることになる。 取り交わした業務委託契約書には、労働基準法ほか労働関係法の適用を受けないことを明記した条項がある。 しかし、本件のような「業務委託契約書」を取り交わしていたとしても、そのこと自体から直ちに労働基準法上の労働者に当たらないと判断されるわけではない。