☆法律を守らない使用者への対応☆

傷病手当金の使用者証明欄を使用者が書いてくれない、離職票の交付手続をしてくれないなど使用者が法律で定める義務を履行してくれない、どのようにすれば使用者に強制できるのかという相談は相変わらず多い。

 

それぞれ健康保険法、雇用保険法が定める手続であり、使用者には法的義務がある。

しかし、労働者には使用者に義務の履行を強制する端的な手段がない。

手続自体の履行を使用者に求めることが労働者の権利として保障されていないからだ。

使用者は行政に対して履行義務を負うという仕組みだ。

 

したがって、そのような相談を受けた場合、まずは、ハローワークや保険者(協会けんぽなど)に対し、使用者が法に従って義務を履行するように指導することを求める、アドバイスをすることにしている。

それで使用者が行政の指導に応ずればことは解決するが、実際にはなんやかんやと理由をあげて、応じない使用者も少なくない。

 

離職票の不交付の場合は、手間はかかるが、労働者がハローワークに直接、離職の事実の確認請求をして、ハローワークの職権調査により、使用者を介さないでハローワークから直接離職票の交付を受けるという手続がある。

 

しかし、傷病手当金にはそのような手続はないので労働者としてはお手上げ状態になってしまう。

そのようなときは、使用者が記載を拒否した経緯を記載したメモを添えて、使用者証明欄は白紙のまま、保険者(協会けんぽなど)へ申請書一式を郵送しすることをアドバイスしている。

保険者の職権による調査を期待してのことである。

 

日本において労働法ほど守られていない法律はないといわれることがある。

罰則の適用がないからと高を括り、法を平気で破る使用者の横行を許せば、労働の現場は強者である使用者のやりたい放題の無法状態に陥ってしまう。

 

行政には法的な義務を無視する使用者に対しては職権で調査をするなど厳格な対応で望むことを期待したい。

経済的弱者である労働者を経済的強者である使用者の横暴から守るのが行政の役割であるはずだ。(直井)

 

 

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☆解雇は転職に不利?☆

辞めてくれないかといわれた、解雇されると履歴が汚れるので解雇は避けたい、解雇を言い渡されるくらいならば退職することを考えている、しかし、離職票には自己都合ではなく会社都合として記載して欲しいという相談があった。

 

解雇されたら履歴が汚れる。

転職への悪影響が心配だ。

転職の面談の際、前職の離職理由を解雇といいたくない。

以上のように考える労働者は少なくない。

 

使用者は、従業員のこのような不安を逆手にとって、退職に応じないならば、解雇すると脅し、執拗に退職願いへの署名・押印を求める。

 

しかし、使用者の狙いは、後で解雇の適法・違法が争われるリスクを避けることにある。

 

他方、何事も金銭換算したコスパ・損得で判断したがるネット情報の影響か、離職票の記載に会社都合を求める労働者は多い。

会社都合の離職が失業手当の給付において有利であるからだ。

 

転職など自己の都合により離職した場合は7日間の待機期間にプラスして給付制限期間(3か月)がある。

解雇など会社の都合により離職した場合は受給資格決定後7日間の待機期間が経過すれば給付を受けられる。

収入の道をたたれた退職者にとって3か月間も給付を待たされることのダメージが大きい。

 

解雇の不名誉は避けたい、他方、失業手当の関係では会社都合(解雇、退職勧奨など)としたいと考えているのが退職を迫られた多くの労働者の本音といえる。

 

そのため、ほっとユニオンは、解雇が争われた案件の和解において解雇撤回・円満退職で解決した場合、「会社都合による退職」という文言を合意書に入れることにしている。

 

しかしながら、そもそも、非行行為などを理由とする懲戒解雇でないかぎり、解雇を言い渡されることは労働者にとって必ずしも恥ずべきことではない。

納得できない解雇ならばなおさらである。

 

弱気にならず、納得できないならば、安易に退職願いへの署名・押印はしないで、まず、専門家に相談することを薦める。

安易に任意の退職に応じないことによって、同じ辞める結果になるとしても、使用者の譲歩を引き出し、より有利な退職条件を得ることが可能になる。

 

強いことを言っても、使用者の本音は訴訟リスクを回避するために解雇を避けることにある。

使用者にとっても正式に解雇を言い渡すことは怖いものなのです。(直井)

 

 

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☆離職票がもらえない!☆

使用者から離職票がもらえないで困っているとい相談を受けることがある。

正確にいえば離職票はハローワークが発行するものであり、使用者が作成するのは離職証明書であり、かつ、その提出先はハローワークである。

離職票と離職証明書とは混同されることがあるので、以下、簡単に説明する。

 

ハローワークの「離職された皆様へ」との表題の手引きには、失業給付の「受給手続きに必要なもの」として、「離職票-1及び離職票-2」(以下併せて「離職票」という。)の記載がある。

また、同手引きの表紙上部の囲い込み欄には、「事業主へのお願い・・・離職票1,2ともに必ず離職者にお渡し下さい。」との記載がある。

 

使用者は離職者がでたとき、ハローワークに雇用保険被保険者資格喪失届けとともに雇用保険被保険者離職証明書(3枚複写、事業主控え、ハローワーク提出用、離職票-2)を提出する。

ハローワークは、離職票-1とともに離職証明書の複写になっている離職票-2を会社に送付する。

会社は離職票1、2を退職者に送付する。

 

離職票-1には、退職者の氏名や生年月日など基本情報が記載され、

離職票-2には、賃金支払い状況や離職理由などが記載される。

 

会社から離職票の交付を受けられない場合は、そもそも会社が離職証明書をハローワークに提出してない場合が多い。

そのような場合、ハローワークに会社を指導してもらい、離職証明書の提出させることが一番簡単だ。

 

それでも、会社が応じない場合は、手間はかかるが、ハローワークに雇用保険被保険者であることの確認の請求をして失業給付の手続きを進める方法がある。

 

社労士ユニオンであるほっとユニオンはそんな相談者のお手伝いをします。(直井)

 

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