コンビニで「日雇い派遣」として働いているという労働者から相談電話があった。
たまたま同じ時間帯で勤務についたその日限りの同僚の自分に対する態度への不満・不平であった。
初対面なのに最初のあいさつがなかったこと、同じコンビニでも店ごとに作業の仕方が微妙に異なるのに仕事の指図の仕方が不親切なこと、客に聞こえる大きな声でミスを指摘したことなどなど。
ほとんど愚痴である。
同じ職場で働き方の異なる者が混在していることから発生した問題といえる。
働き方が異なればそれぞれ利害が対立する。
その結果、同じ職場で働くという仲間意識はもてない。
そもそもこの相談者は派遣なのだろうか。
2008年のリーマンショック時に多発し社会問題となったの派遣切りへの対策として2012年の改正派遣法により日雇い派遣は原則禁じられたはずである。
雇用保険の適用対象とならない契約期間30日以下の派遣契約は、不安定な細切れ雇用の原因になるとして禁止された。
しかし、日雇い派遣は日々紹介として生き残った。
派遣は職業紹介に衣替えされた。
上記相談者は、60才以上や学生など日雇い派遣が例外的に許される労働者には該当しないことから、派遣ではなく日々紹介だと思われる。
コンビニの日々紹介の仕組みは概ね以下のとおりである。
①求職者はスマホでコンビニ求人サイトにコンビニ経験等の入力項目を記載して登録する。
②登録会社の運営するサイト掲示版をみて求職者は応募したい日時、コンビニを捜してサイト上の操作で応募する。
③コンビニのオーナー(または店長)から電話でコンビニ経験等の確認の電話を受ける。
④その後、当該コンビニからスマホに採否の決定通知がある。。
かつてケイタイが日雇い派遣の必需品であったように、現在ではスマホが日々紹介の必需品である。
通信技術の発達は、労働者保護法を骨抜きにする新しい多様な働かせ方を次々に生み出している。
コンビニの日々紹介もその一つだ。(直井)