☆パワハラの解決の難しさ☆

パワハラの典型的な行為としては、厚生労働省の有識者会議がまとめたものとして以下の6類型が示されている。
①暴行・傷害など「身体的な攻撃」、②脅迫・侮辱・ひどい暴言など「精神的な攻撃」、③隔離・仲間外し・無視など「人間関係からの切り離し」、④業務上明らかに不要なことや不可能なことの強制など「過大な要求」、⑤能力や経験とかけ離れた仕事を命じることなど「過小な要求」、⑥私的なことに過度に立ち入ることなど「個の侵害」。

セクハラとパワハラは、職場での優越的地位を利用したハラスメント(嫌がらせ)という共通点はあり、セクハラ・パワハラと一括りにされることもある。
しかし、労働トラブル解決を目指す労働者から相談を受けるユニオンの立場からするとその対応は大きく異なる。
職場におけるいじめ・嫌がらせなどのパワハラはセクハラと比べ有効な解決策の提示が困難である。
端的に言えば、使用者を交渉のテーブルに載せにくい。

パワハラの定義があいまいで業務上の指導との線引きが難しいことが理由の一つである。
診断書・録音など明確な証拠のある「身体的・精神的な攻撃」は別として、一般的ないじめ・嫌がらせの場合は、相談者は上司によるパワハラだと主張し、他方、使用者は業務上の指導だと主張し、平行線になってしまうことが多い。

これに対し、セクハラについては、「相手方の意に反する性的言動」と定義され、均等法に「職場において行われる性的な言動」について使用者に必要な措置をとるように義務づける規定(11条)がある。

また、厚生労働省告示でセクハラにあたる「性的な言動」について具体例を示しているので、問題となっている当該行為がセクハラに当たるとの主張は比較容易である。
パワハラはセクハラと違って直接これを定義し規制する法律がないことが交渉を難しくしている。

ただし、パワハラが解雇にまで至れば(または至りそうならば)話しは別である。
この場合は、解雇(または辞めざるを得なくなった状況)に至たるまでの違法性・不当性の背景事情としてパワハラを主張することになる。(直井)

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☆ユニオンを渡り歩く相談者☆

派遣労働者からの相談は少なくないが、最近ほっとユニオンが受けた相談に次のようなものがあった。

 

派遣先をパワハラで、派遣元を不当な更新拒否で訴えたい。

電話相談を経て相談者と都内のカフェで対面相談をしたが、その後相談者からの連絡が途絶えた。

1か月程後、忘れかけたころに突然再度の電話があった。

 

話を聴いてみると以下のとおりである。

別のユニオンに入って派遣先及び派遣元を相手に団体交渉を始めたが、当該ユニオンの対応が納得できないので、当該ユニオンを脱退するつもりである。

ついては、ほっとユニオンが改めて団体交渉をしてくれないかとの要望であった。

 

私はこの要望を丁重にお断りした。

交渉中の団体交渉を途中から引き継ぐことは事実上できないこと、

団体交渉を始めから仕切りなおすにしても、いわば手垢のついた案件は相手方にすでに妥結の余地が少なくなっていること、

したがって、こちらが相当の譲歩をする準備がなければ妥結に至ることが困難であること、

などがお断りした実務的な理由です。

 

しかし、それ以上に問題なのは、安易にユニオンを渡り歩く相談者と信頼関係を築ける自信が持てないことにあった。

ほっとユニオンと組合員との関係の基礎は信頼関係だと考えています。

泣き寝入りしないで使用者に対して一緒に異議を申し立てることによって醸成された信頼関係は、たとえ交渉が不首尾に終わったとしても、次に労働審判など裁判手続きに進む原動力になります。

 

ほっとユニオンは働く者の共助の組織です。

ユニオンをコストパフォーマンスの観点からのみ選択する相談者はこちらから願い下げしたい。(直井)

 

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☆非通知による電話相談☆

私は、ある労働NPOの無料の電話相談をボランティアとして行っている。

電話相談をしてくる人のなかには、ひたすら自分の主張に同意する好意的な回答を聴きたくて、いろいろな無料電話相談をかけ廻っている人が少なくない。

職場の不満を聴いてくれ、それに共感や同意を示してくれる聞き手を捜し求めているのだ。

カウンセリングの範疇に入る相談ともいえる。

このような相談電話は電話番号非通知でなされることが少なくない。

 

確かにカウンセリングは必要かもしれないが、ほっとユニオンはカウンセリングを目的とした組織ではない。

ほっとユニオンは、泣き寝入りせず、労働トラブル解決のために使用者に対して具体的なアクションを起こそうと考えている労働者の手助けをすることを目的としている。

カウンセリングを得意とする機関ではない。

ほっとユニオンは使用者と闘う覚悟のある労働者のお手伝いをするための共助の組織です。

 

ほっとユニオンは非通知による電話相談は受けない設定にしている。

何らかの理由で電話を受け損なったとき、非通知では折り返しの電話ができない不便があることもあるが、ほっとユニオンの目的にそった相談に集中したいという思いからです。

ほっとユニオンは真摯な相談に真摯に対応します。(直井)

 

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